FTPは転送速度が低速
これまでCisco機器のIOSバージョンアップをする際は、TFTP/FTPを使用してIOSファイルを機器に転送していましたが、問題点として転送速度が遅いことがあげられます。
TFTP/FTPだと転送速度が1.5Mbpsくらいしか出ないたため、例えば400MB以上のファイルサイズがあるCatalyst9200のIOSでは、TFTP/FTPで転送すると40分ほどかかります。
そこでIOSバージョンアップ作業時間短縮を図るため、IOSのバージョンアップ作業にUSBメモリを使って試してみることにしました。
なお実測でTFTPとFTPでも差があり、FTPの方が若干速かった事を確認しています。
【訂正】
FTPでの転送速度が遅いのはC891やCatalyst2960Lなどの低価格機器だけのようです。
Catalyst9200でFTP転送を試してみたところ、20Mbpsほどの速度が出ました。
(それでも遅い事に変わりありません)
USBポートにUSBメモリを接続
USBメモリをCiscoのUSBポートに接続すると、特別な操作は不要であっさりとCisco機器側でUSBメモリを認識します。
抜く場合もWindowsのように特段処理は不要です。
USBメモリを挿入した時に出るログは以下の通り。
%USBFLASH-5-CHANGE: usbflash0 has been inserted!
%USBFLASH-5-CHANGE: usbflash0 has been removed!
ただしUSBメモリをCiscoで認識させる際の注意事項として、フォーマット形式の存在があります。
例えばCisco 891はFAT32でフォーマットしたUSBメモリを認識されましたが、Catalyst2960Lでは認識が出来ません。
このように機種によってはFAT16でフォーマットされている必要があります。
※正確にはFAT32でフォーマットしたUSBメモリを接続しても、Catalyst2960L上でUSBメモリの挿入ログは表示されます。
しかし肝心のファイルコピー操作が不可でした。
コピーすると以下のエラーログが出力されます。
copy flash:c2960l-universalk9-mz.152-6.E.bin usbflash0:
%Error opening usbflash0:c2960l-universalk9-mz.152-6.E.bin (Invalid DOS media or no media in slot)
またfileコマンドでファイルシステムを表示しても、USBメモリのディスクサイズ、空き容量が「-」となり表示することが出来ません。
#sh file systems
File Systems:
Size(b) Free(b) Type Flags Prefixes
* 244711424 214171648 flash rw flash:
- - usbflash rw usbflash0:
このことからCisco機器でUSBメモリが正常利用できるかの確認にsh file systemsコマンドが利用できます。
USBメモリ接続後にsh file systemsコマンドでusbflash0のSize(b)とFree(b) の項目が表示されているかを確認する事で、USBメモリを利用可能かチェックが出来ます。
USBメモリによる転送速度
USBメモリにIOSファイルをコピーをしてみました。
#copy flash:c800-universalk9-mz.SPA.156-3.M5.bin usbflash0:
Destination filename [c800-universalk9-mz.SPA.156-3.M5.bin]?
Copy in progress...CCCCCCCCCCCCC
略
CCC
94838232 bytes copied in 58.564 secs (1619395 bytes/sec)
転送速度は約13Mbpsと、ざっくりFTPの10倍は出ています。
400MBあるCatalyst9200などのファイルサイズが大きいIOSでも2,3分で転送が終わる計算です。
作業PCでFTPサーバーを立てたり、作業PCをネットワークに接続するためのIPアドレスを調整したりする必要がなく、作業の手間も作業時間も減ることを考えると、IOSバージョンアップ作業ではUSBメモリを使うのが便利ですね。
もういい加減FTPは滅んでも良い頃合いだと思う。
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